由緒・沿革
石宮神社の御神体は神代固有の霊石である。巨大であることから玉垣に囲われているが本殿とされる社殿は無く、古く大己貴命は御自らこの石に御分霊を留め置かれたと言い伝えられている。この霊石は万代不朽の御神体であり、大己貴命は天神の勅と御祖須佐之男尊の命により国土を経営し、田園を開墾し、農事を興こされ、御親猟も行われていた。出雲国風土記には以下の記述がなされている。
所造天下大神命 追給猪像南山有二 追猪犬像 其形為石 旡異猪犬 至猶在 故云宍道
大己貴命が御狩をされている時に追っていた猪は石となり、その時御供をしていた愛犬も石となりという伝えにて共に永世不朽の霊石となり、石宮神社の御神体である石は「犬石」、鳥居両脇の巨石二体を「猪石」と呼び、集落の守護神として崇められている。この故事を以って、当地を太古は大己貴命の御親猟の跡であるとして「猪が通った道」→「猪道」→「宍道」と呼ぶようになった。