由緒・沿革
古くから来宮大明神と称し、熱海郷の地主の神であって、伊豆の来宮の地に鎮座し、来福・縁起の神として信仰されています。延喜式神名帳には「阿豆佐別神社」アズサワケジンジャの名で記されております。平安初期の征夷大将軍坂上田村麻呂公は戦の勝利を神前で祈願し、各地に御分霊を祀ったとも伝えられ、現在では全国四十四社のキノミヤジンジャの総社として信仰を集めております。
特殊神事
・來宮神社例大祭(別名 こがし祭):御祭神五十猛命様がこの地に鎮座されたときに、ご神前に「麦こがし」をお供えした故事に習い、7月14日・15日・16日の例大祭は「こがし祭」とも称されております。16日には神々を御鳳輦に遷座いたし、麻袴の一行と氏子崇敬者に旗差物が加わり、獅子行列を先頭に神賑行事奉納者など総勢五百名の時代絵巻物が再現されます。御鳳輦を猿田彦命の装束を纏った氏子が「麦こがし」を町中に播きながら先導いたします。此の麦こがしにかかれば、古くから無病息災、身体健康になると伝えられております。
・大楠祭:5月5日に行われる、樹齢2000年以上、国内二位の巨樹である御神木大楠を称える神事。新芽が生え替わり最も生命力溢れる時期に御神木の霊気、生命力を頂き、感謝するおまつり。御神木の前にて神事を齋行し、「大楠の舞」と称される巫女舞を奉納いたします。
地域の伝統行事
・御鳳輦奉仕:熱海出身の四十二歳厄年の有志の方々が一年を通じておまつりに参列し、神事、神社行事に奉仕されます。最大の目的は例大祭に奉仕し、御鳳輦渡御を完遂することにあります。この御鳳輦渡御では、「浜降り神事」といい御鳳輦を担いだまま一度海に入り、再び陸地にあがることで御祭神五十猛命様が熱海の地に降り立ったことを謹んで再演しております。