○熱海・來宮神社とは?
熱海郷の地主神として古くから信仰を集める神社で、特に来福・縁起の神として知られています。全國にある44社の來宮神社の総本社とされています。
○祀られている主な神様
・大己貴命(おおなむちのみこと):須佐之男命の娘婿
別名「大國主命(おおくにぬしのみこと)」とも呼ばれます。
「大國」が「だいこく」と読めることから、七福神の「大黒様(だいこくさま)」と同一視され、親しまれてきました。大黒様は七福神のお一人で、本来インドの神様であり、仏教の信仰対象です。ここからも、前述の神仏習合の影響が見受けられます。
來宮神社では、古代出雲の神々がこの地に定住した際に、熱海の地を気に入られたことから祀られたと伝えられています。
・御利益
農業、商売繁昌、医療の神として知られています。これは、古事記に記されている大己貴命の逸話の他、大黒様が米俵(農業の象徴)の上に立ち、打ち出の小槌(商業の象徴)を持ち、薬の入った袋(医療の象徴)を背負っていることに由来します。また、多くの女性との間に縁を結んだことから、縁結びの神としても知られています。女性との縁のみならず、人と人との絆を結ぶといった「縁結び」の御利益も期待できます。
・五十猛命(いたけるのみこと、いそたけるのみこと):須佐之男命の御子
たくさんの樹木の種子を日本全土に播(ま)いたとの言い伝えから、樹木・自然保護の神様として知られています、
和銅3年(710年)、熱海湾に童子の姿で漁師の前に現れ、「波の音が聞こえない七本の楠がある地に祀ってほしい。さすれば村の者達と、熱海に来る者達を守護しよう」と告げたとされます。
漁師達が探し当てたのがこの西山の地であり、これこそが來宮神社創建の由緒といわれております。
我々は樹木や自然から生まれる恵みをいただいて生きています。五十猛命の御利益は、人々にとっての豊かな環境づくりにもつながります。
・日本武命(やまとたけるのみこと):第12代景行天皇(けいこうてんのう)の第二子
父である景行天皇の命令により、九州地方の熊襲(くまそ)および関東の蝦夷(えみし)による反乱を平定するため、その生涯を戦に費やしました。
そのことから、武勇と決断の神として知られています。
熱海の地とのつながりとしては、東征(とうせい、蝦夷の討伐)の際にこの地を訪れ、住民の暮らしを助けた功績を称えられ、祀られるようになったとされています。
○御神木の大楠
境内にそびえ立つ大楠は、來宮神社の象徴です。
樹齢2100年以上と推定される、国の天然記念物です。
幹周りは23.9メートル、高さは約26メートルもあります。
「大楠を一周すると寿命が1年延びる」、または「誰にも言わずに一周すると願い事が叶う」という言い伝えがあり、長寿と願い事成就の御神木として崇められています。
〇來宮神社の祭典
おおよそ、今から1300年前、和銅3年6月15日に熱海湾で漁夫が網をおろしていたとき、御木像らしき物がこれに入ったので、不思議に思っていると、童子が現れ『我こそは五十猛命である。この里に波の音の聞こえない七本の楠の洞があるからそこに私を祀りなさい。しからば村人は勿論いり来るものも守護しよう。』と告げられ、村民達が探し当てたのが、この熱海の西山の地でした。
また、御神前に、麦こがし、百合根、ところ、橙をお供えしたところ喜んで召し上がったと伝えられています。
この6月15日(新暦7月15日)に来宮神社の例大祭・こがし祭が行なわれ、熱海の氏子は海岸に出て、当時を偲んでお祭りします。
例大祭は、宵宮祭の7月14日から16日まで、様々な祭儀が執り行われます。
・例大祭
7月15日執行
海から此の地にお木像が祀られた日、つまり御祭神が鎮まられた日が新暦の7月15日となります。
熱海に住む人々・熱海に入り来る人々を御守りくださる来宮神社の神々に感謝申し上げる神事です。海辺で神様に『麦こがし』を供えたと云う故事から、別名『こがし祭り』とも云われ、例大祭には必ずお供え致します。
又『百合根』『橙』『ところ』も古来より特殊な神饌としてお供えしております。
・神幸祭
7月16日執行
來宮の神々を御鳳輦(ごほうれん)に乗せ、町に降ります。町の繁栄を祈る神事です。
神々に供奉する宮司・神職をはじめ、総代・神役など御神幸行列は総勢300名を超え、壮大な時代絵巻の再現となります。
行列の中の猿田彦は天尊降臨の際案内した神様で、御鳳輦に鎮座する来宮大神の案内をする役割です。御祭神と御縁の深い『むぎこがし』を道に撒き道中を御案内し、また人々は其のこがしに触れると無病息災・身体健康になると伝えられています。
神々を乗せた御鳳輦は、毎年42才になる男子により担ぎ上げられ、町中を練り歩きます。厄祓の厳守な神事でもあります。御鳳輦奉仕者は、声高らかに『みょうねん』と発し、神々に感謝の気持ちを表しながら力強く担ぎ上げます。
浜降りは、御鳳輦に鎮座する来宮神社の神々を奉仕者達が担ぎ上げつつ、浜から海中に入る神事で古来より代々継承されております。故事に基づき、其の習わしは御神体が海から流れ着いた浜で行われ、今日でいう東海岸である御神池に一年に一度奉仕者が御鳳輦を奉舁(ホウエイ)しながら海中へ入る神事です。




